どういった経緯で住宅収納スペシャリストという資格を取得したのか。
住宅収納スペシャリストという資格を普段の仕事にどういかしているのか。様々な場面で住宅収納スペシャリストとしてすでに活躍されている方にインタビューし、リアルな声を皆様にお届けしていきます!
Vol.12 岡田幸子
<プロフィール>
岡田幸子 株式会社六本木工務店勤務
実家が工務店だったことから、幼いころから住まいづくりを身近に感じて育つ。高校卒業後イタリアへ2年留学しインテリアを学ぶ。地元へ戻り住宅会社で働きながらインテリアコーディネーターを取得。結婚出産の後10年前から実家の六本木工務店にて経理事務業に携わる。
裏方業務の傍ら、片づけの苦手な人・不安を抱えている人へ寄り添う家づくりの伴走者として活動。独自の取り組み『新築収納フルサポート』を展開中。
また、群馬の整理収納アドバイザー仲間とくらしUPぐんまというチームで活動もしている。
■新築収納フルサポートHP https://okayuki.jimdofree.com/
■六本木工務店HP http://maru-6.co.jp/
■くらしUPぐんまHP https://kurashi-up-gunma.jimdofree.com/
住宅収納スペシャリストとの出会い(取得した動機)
私は幼いころから片づけが嫌い・苦手でした。でもこれではいけないとの思いがあり、2009年、自宅新築を機に『片づけられる家』にしたい!と本や雑誌から学んで収納に特化した家づくりをしたことがきっかけとなり、新築時の収納計画の大切さを実感しました。その時から片付けの奥深さに興味をもつようになったのです。
2012年に整理収納アドバイザーを取得し、身内や知人宅の整理収納サポート、地元アドバイザー仲間のアシスタントなど片付けの現場作業を積み重ねました。

パースと模型によりリアルな生活をイメージしてもらう
そんな知識と経験を生かして、いずれは工務店のお客様のサポートをしたい!と思うようになったものの、普段は事務経理の裏方業務をしている私。どうやってアプローチをしていけば良いのかが分からず手探り状態でした。
そんな中、住宅収納スペシャリストを知り、内容を見ると私がやりたい事がまさに講座になっていると感じ、すぐに受講しました。
今まで自分が漠然と考えていたこと、手探りでやっていたことが、はっきりと明文化されており、実践的なアドバイスや手法・現場で使える打合せツールや分類ツリーもあり、まさに『すぐに生かせる講座』でした。
住宅収納スペシャリストを受けて変わったこと
あれもこれもやりたい!と軸が定まらなかった自分に、進む道しるべをつくってもらえた感じです。
工務店で家を建てるお客様へのサポートとして、私ができることをすべて盛り込み、片付けの苦手なお施主様へ寄り添ってサポートする『新築収納フルサポート』を計画しました。設計段階から訪宅ヒアリング・収納計画を盛り込んだ間取り決め・模型やパース作成・片付けレッスン・引っ越しサポート・アフターフォローまでを一人で一括して行う、かゆいところに手が届くサポートです。
家族経営の小さな工務店だから、年間棟数が限られているからこそ1件1件にじっくり向き合いとことん寄り添えるサポートです。
モニターのお客様を3件やらせていただき、とても好評をいただきました。やはりこのサポートを必要としている人はたくさんいるはず!もっと必要な人に届いてもらいたい!という思いが強くなりました。
お客様の反応が社長に届き、徐々に女性・主婦目線・プロのアドバイスの必要性を感じてもらったようで、プラン作りの際にも意見をスムーズに取り入れてもらえるようになりました。

造り付け家具も大工さん手作りのオーダーメイド
整理収納アドバイザーの資格を取りたての頃は、日々活動している仲間を見て刺激を受ける一方でうらやましくなったりしました。私ももっと沢山の現場に行きたい。多くの人のお役に立ちたい!しかし自分は本業があるから活動の制限がある・・・とやりたい事が思うようにできない自分の立ち位置に悩んでいた時期もありました。
しかし、住宅収納スペシャリストを取得後は、自分は自分の居場所でできる事を探す!と、できる事から地道にコツコツすることにしました。すると点が線となり、ようやく形になってきました。広く多くより狭く密に、じっくりお客様に寄り添っていきたい。これが私のスタイルだと感じました。軸の定まらない自分に一歩進むきっかけを与えてくれたこの住宅収納スペシャリストとの出会いに感謝しております。
今後の展開(夢)
サポート後、お客様からいただいた言葉ですが 『新しい家ができたら整理整頓を頑張らなければいけないと思っていたけれど、岡田さんにアドバイスをもらって建てた家では、決められた場所に物を戻すだけと考えたら心がとても楽になりました』 との感想をいただきました。
新築・リフォームにおいて、新しい生活に期待やワクワクを感じる一方で、片付けが苦手な方にとっては 『今度こそ新しい家では頑張らないと!』と、見えない不安を一人で抱えている人もいます。家をキレイに保とうとする事に重きを置きすぎてしまい、片付けがいつのまにかストレスになってしまう人もいます。数年後には物が増え、こんなはずじゃなかった・・・と悲しい思いになってしまう方もいます。それは、家を提供する立場としてとても残念なことです。

玄関・リビング・洗面に通じるファミリークローゼット
そんな方を少しでもなくしたい・片付けストレスのない快適な生活を送れる家にしてもらいたいと心から願います。
だからこそ、箱ものとしての家をお渡しするのではなく、『家族の暮らし方のついた家』を提供する工務店を目指しています。
家は建てて終わりではなく、住んでから作り上げていくものだと思っているので、ライフスタイルの変化などで、物が増えたりちょっと暮らしにくいなぁと感じた時には気軽に『岡田さんちょっとお願い!』と頼ってもらえるパートナーでありたいと願っています。
家づくりは一生に一回。そこに自分がかかわってその後の快適生活づくりにも関与できる【ご家族にとっての暮らしのサポーター】となれたら最高です。
さて、第十二回目の「全国の住スペ紹介」、いかがでしたでしょうか。 『新築収納フルサポート』というご自身のスタイルを確立された岡田幸子さん。設計段階から訪宅ヒアリング・収納計画を盛り込んだ間取り決め・模型やパース作成・片付けレッスン・引っ越しサポート・アフターフォローまでを一人で一括して行える岡田さんは、収納に特化した工務店としてのブランドを確立されました。丁寧に収納を考えてもらえた住まいで生活できるお客様の毎日は、快適で幸せ。お客様からの言葉からも、住まいへの満足度の高さが伝わってきます。目指されているのは、単なる箱ものではない『家族の暮らし方のついた家』。住スぺの講座でお伝えしている住まいの形を実現していただけてとても嬉しいです。
■ 私の働き方インタビュー Back number
Vol.1 井上晃代さん(住宅収納スペシャリスト認定講師、住まいるハート代表)
Vol.2 日浦弘子さん(住宅収納スペシャリスト認定講師、快適な暮らしフルサポートMjuk(ミューク)主宰)
Vol.3 小森 晶さん(ミサワリフォーム株式会社 東京西支店 武蔵野営業部 三鷹マンションリフォームプラザ Studio Felice代表)
Vol.4 國影こず江さん(住宅収納スペシャリスト認定講師、K’z door代表)
Vol.5 猪爪夕子さん(クリナップテクノサービス株式会社・リテール推進部勤務)
Vol.6 石田 雅一さん(積水ハウス株式会社 いわき支店 統括課長)
Vol.7 市川めぐみさん(インテリアコーディネーター)
Vol.8 大沼典子さん(株式会社富樫工業 住宅営業)
Vol.9 大熊千賀(住宅収納スペシャリスト認定講師、暮らしStyle 代表)
Vol.10 木村 淳史さん(旭化成ホームズ株式会社 住宅営業)
Vol.11 植村寿美子さん(フリーランス)
Vol.12 岡田幸子さん(六本木工務店)